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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
顧客アンケートとは、お客様に聞いて判断材料を集める方法です。
ところが、多くの会社は「何がほしいか」だけを聞いています。
実は、その聞き方では声の半分しか集まりません。
しかも、決め手になる声はもう半分の側にあります。
今日は、963人の声から生まれた新ブランドの話です。
そして、「避けたい」を聞く手順をお伝えします。
まず、結論を先にお伝えします。
「ほしい」と「避けたい」は、必ずセットで聞いてください。
顧客アンケートの前に、猫部で何が起きたのか
2026年9月28日、フェリシモが発表を出しました。
猫部から、新しいブランドが生まれたという内容です。
フェリシモ「猫部™」から、新ブランド『meow memory(ミャウ メモリー)』が誕生!
出典:株式会社フェリシモ プレスリリース(2026年9月28日)
そもそも猫部は、2010年9月に生まれました。
つまり、今年で16周年を迎えたコミュニティです。
また、基金付きの猫グッズを企画してきました。
そして、ウェブやSNSで猫好きと交流を続けています。
さらに、第1弾は記念日を祝う5アイテムです。
ウェブでは、9月18日から販売が始まりました。
新ブランドの前に、顧客アンケートを取っていた
一方、私が注目したのは商品より前の手順です。
猫部は、先に猫と暮らす方へ聞いていました。
実施期間:2026年8月28日~9月6日/有効回答数:963件出典:株式会社フェリシモ プレスリリース(2026年9月28日)
つまり、約10日間で963件が集まったことになります。
これは、16年かけて集めてきた人の厚みです。
まず、記念日にお祝いをしている人は約75.5%でした。
また、「猫が喜ぶお祝いをしたい」は約70%です。
ここまでは、いわば「ほしい」側の声です。
お祝いをしたい方が多い、という結果でした。
顧客アンケートの宝は「避けたい」の声
ところが、私が目を留めたのは次の数字です。
それは「ほしい」ではなく「避けたい」の声でした。
「猫の負担になるお祝いグッズは避けたい」約64.8%出典:同リリース
さらに、「ふだん使えるものがほしい」は約38.4%です。
つまり、お祝いはしたいが無理はさせたくないのです。
そして、新ブランドの切り口はこうでした。
「猫はいつも通り・人間にとっては特別に見える」。
ここからは、あくまで私の読み方です。
この切り口は、「避けたい」の声から立っています。
なぜなら、猫にとってはいつもの暮らしのままだからです。
一方で、飼い主にとっては特別な記念日になります。
「ほしいもの」だけを聞くと外れる理由
では、なぜ「ほしいもの」だけでは外れるのでしょうか。
それは、答えが他社でも手に入るものになるからです。
一方で、買わない理由は「避けたいもの」にあります。
たとえば、高い、使い道がない、置き場所に困るなどです。
つまり、避けたいことを先に知る会社が強いのです。
なぜなら、買わない理由を消した商品を作れるからです。
手順1 顧客アンケートは集めたお客様に聞く
まず、アンケートを送る相手を決めてください。
広告で、知らない人に聞く必要はありません。
むしろ、すでに集めたお客様に聞くのが正解です。
猫部の963件も、16年の積み重ねがあってこそです。
なお、小さな会社なら30人でも十分です。
たとえば、メルマガ読者や購入者の方に聞きます。
手順2 「ほしい」と「避けたい」をセットで聞く
次に、質問を2つだけ用意します。
1問目は「どんなときに使いたいですか」です。
そして、2問目は「避けたいことは何ですか」です。
実は、この2問目が今日いちばん大切なところです。
また、選択肢を用意すると答えやすくなります。
たとえば、値段、手間、置き場所、家族への負担です。
手順3 「避けたい」を商品の条件にする
さらに、集まった「避けたい」を条件に書き換えます。
「負担は避けたい」なら「いつも通りでいられる」です。
同じように、「使い道がない」も条件に変わります。
つまり、「ふだんから使えること」が条件になります。
こうして条件が決まると、企画会議で迷いません。
その結果、議論の時間が大きく減ります。
手順4 顧客アンケートの数字をお客様に返す
また、アンケートの結果は答えた方に返してください。
たとえば、「963件の声が集まりました」と伝えます。
すると、答えた方は自分の声が届いたと感じます。
そして、商品を「自分たちの商品」として待ちはじめます。
実は、顧客アンケートは返したときに完成します。
聞きっぱなしでは、次から答えてもらえません。
たとえば、メルマガで結果を1通だけ送ります。
「皆さまの声から、こう決めました」と添えるだけです。
手順5 次の企画を予告して次の声を集める
最後に、次の企画を予告しておきます。
実際、猫部も第2弾の予定を伝えていました。
第2弾として、2027年夏に向けて猫用おもちゃやベッドの企画が進行中出典:同リリース(要旨)
このように、次を予告すれば答える理由が生まれます。
声を集め、形にし、返して、また聞くのです。
数字で見る、猫部の顧客アンケート
ここで、今日の数字を並べておきます。
いずれも、プレスリリースで公表された数値です。
まず、猫部の創部は2010年9月で、今年16周年です。
次に、アンケートは8月28日から9月6日までです。
さらに、有効回答数は963件でした。
お祝いをしている人は、約75.5%です。
加えて、負担になるものは避けたいが約64.8%です。
また、ふだん使えるものがほしいは約38.4%でした。
なお、各商品につき10円が猫基金に回ります。
そして、第2弾は2027年夏に向けて企画中です。
商品を先に作る直線から、声を集める同心円へ
まず、直線は商品を先に作ってから売り込みます。
そのため、外れたときは値引きで売るしかありません。
これに対して、同心円は声を集めてから作ります。
答えたお客様が、そのまま最初の買い手になります。
さらに、答える、受け取る、待つの3回で接点が生まれます。
これが、100日ファン化計画の静かな入口になります。
まとめ|顧客アンケートは買わない理由を先に聞く
最後に、今日の要点をまとめます。
顧客アンケートは、ほしいものを集める道具ではありません。
まず、既存のお客様に1問だけ送ってください。
次に、「ほしい」と一緒に「避けたい」を聞きます。
そして、集まった数字をお客様にお返しします。
これだけで、答えた方が商品を待つ人に変わります。
つまり、先に作って売る直線から離れます。
声を集めて一緒に作る、同心円ファネルへ移ります。
そして、いつもの一言で締めます。
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