17kgが資金調達なしで年商2ケタ億円規模を実現した「インスタ×検索」ハイブリッド設計

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

17kgが資金調達なしで年商2ケタ億円規模を実現した「インスタ×検索」ハイブリッド設計モデルがあります。
ミニマム通販を「予算がない人の妥協」と捉えてはいけません。

ミニマム通販とは、本来「小さく始めて、確かめながら育てる」ことで
VCマネーに依存せずにLTVと利益を両立させる経営戦略です。

本記事では、エンジェル投資家から借りた450万円のみで起業し、
年商2ケタ億円規模・全ブランド黒字を実現した「17kg(イチナナキログラム)」の事例から、
ミニマム通販の設計図を読み解きます。

ミニマム通販はなぜ「VC不要」で成立するのか
通販・D2C事業の多くは、立ち上げ初期にVCマネーを入れて広告を一気に回す「スケール優先」の道を選びます。

しかし、CPA高騰時代においては、この道は構造的にきつくなりました
ミニマム通販は、その対極で「キャッシュフロー黒字を最優先」しながらブランドを育てる経営戦略です。

17kgの社長CEO 塚原健司氏(1992年生)は、まさにこの設計でブランドを育てています。

そもそも僕らはベンチャーキャピタル(VC)などの外部資金を入れておらず
元手は最初にエンジェル投資家からお借りした450万円で、それ以降はずっと
商売で得た資金だけで事業を運営してきました。

ほぼゼロから起業して、資金調達なしでここまで実績を挙げられたことには自信を持っています。

出典:WWDJAPAN「平均年齢23歳 インスタ発アパレル『17kg』塚原健司の挑戦」/
https://www.wwdjapan.com/articles/872421

ここから学ぶべきは、「お金で時間を買う」発想を捨て、「設計で利益を生む」発想に切り替えることです。
17kgの数字で読むミニマム通販の到達点

17kgが2019年時点でどこまで届いていたか、原典の数字を整理します。

イチナナキログラム社としては他に「ユードレッサー(U_DRESSER)」「ビープ(BEEP)」「ルル(RURU)」「リリーブティック(LILY BOUTIQUE)」「ベル(BELLED)」の合計6ブランドを展開していて、合計フォロワー数は100万を超えています。最多は「イチナナキログラム」ですが、他のブランドも10〜20万近くのフォロワー数を抱えています。全体の月商も非公開ですが、年商は2ケタ億円の規模になっています。月商はずっと前月比で110〜120%で推移していて、前年同月比だと5〜10倍。基本的に全ブランドが黒字です。

出典:WWDJAPAN「平均年齢23歳 インスタ発アパレル『17kg』塚原健司の挑戦」/
https://www.wwdjapan.com/articles/872421

「6ブランド・合計フォロワー100万超」「年商2ケタ億円」「全ブランド黒字」──この3点を1社で同時達成しているのが17kgです。

しかも、社員はアルバイトを含めて80人・平均年齢23歳という体制で実現しています。

ミニマム通販は、人数の少なさで言い訳をする経営ではなく、人数の少なさで研ぎ澄ます経営です。

ミニマム通販の運用リズム:2ヶ月で黒字、4ヶ月で1ブランド

17kgのブランド立ち上げサイクルを、原典でなぞります。

立ち上げに掛かる費用は数百万円くらい。最初はひたすら知名度を上げるためにインスタのフォロワー数を増やして、その後に少しずつ商品を売っていく。だいたい2カ月目くらいから黒字になります。商品は仕入れもあれば、縫製工場に細かく指示を出して作ってもらうこともありますが、最初は数十着だけ在庫を積んで売れ行きを見て追加する、というやり方をしています。「イチナナキログラム」は毎日10商品を更新していますね。

出典:WWDJAPAN「平均年齢23歳 インスタ発アパレル『17kg』塚原健司の挑戦」/
https://www.wwdjapan.com/articles/872421

「立ち上げ費用 数百万円」「2カ月目で黒字」「最初は数十着だけ在庫」──このリズムを、4ヶ月に1ブランドのペースで複数並走させているのが17kgです。

ミニマム通販の本質は、1ブランドを一気に大きくすることではなく、「小さな成功を量産できる仕組み」を持つことだと言えます。

インスタ起点なのに「検索流入7割」という事実

17kgはインスタ起点で立ち上がったブランドですが、現在の売上構造は意外な数字になっています。

コマースやるならインスタだけだと売り上げのボリュームを取るのは難しい。インスタはあくまで知名度を獲得するもの。通販サイトへの流入がインスタ経由だけだと成り立ちません。「イチナナキログラム」の場合、インスタからの流入比率は3割を切っています。検索流入などの部分が大事です。

出典:WWDJAPAN「平均年齢23歳 インスタ発アパレル『17kg』塚原健司の挑戦」/
https://www.wwdjapan.com/articles/872421

インスタ「発」のブランドが、売上の7割超を検索流入から得ているという事実です。

この構造は、ミニマム通販の設計者として外せません。

入口(インスタ=認知)と、購買(検索=指名買い)は別レイヤーで設計しないと、CPAは下がりません。

通販・D2C事業者の現場でも、「SNSフォロワーは増えているのに売上が伸びない」と悩むケースの多くは、検索流入の設計を怠っているからです。

通販・D2C事業者への翻訳:今日から動ける3つの一手

ここまでの構造を、現場に翻訳します。

一手①:新規施策は「2ヶ月黒字化」を必須条件に設定する

新ブランド・新カテゴリ・新キャンペーンの立ち上げ時、初月で大きな広告投下をせず、2ヶ月目で黒字化する設計を最初から組み込みます。

一手②:インフルエンサーを「ギャラ」から「熱量」へシフトする

予算をつけて投稿してもらう前に、まず「本当に商品を気に入ってくれる人」を1人見つけることに時間を使います。

一手③:「SNS流入と検索流入の比率」を毎月モニタリングする

SNSで認知、検索で購買──この比率を可視化し、検索流入が伸びていない場合はSEO・指名検索獲得施策を別ラインで動かします。

まとめ:ミニマム通販は「設計が冴えた人の選択」

17kgが教えてくれるのは、ミニマム通販は「貧しい人の選択」ではなく「設計が冴えた人の選択」だということです。

VCマネーに依存しない経営、2ヶ月黒字化、熱量インフルエンサー、検索流入7割──この組み合わせが、CPA高騰時代でも黒字で伸び続けるブランドの背骨です。

通販・D2C事業者の現場では、まず今日、自社の「インスタ流入と検索流入の比率」を可視化するところから始めてください。

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