LTV向上のポイントを5つ紹介|具体的な施策案やECの成功事例も
LTVとはLife Time Valueの略で、1人の顧客が生涯の間に企業へもたらす価値を意味します。
通販業界では1年間で測定するのが一般的です。
ECサイトを運営する上で、LTVの向上は非常に重要です。
この記事では、LTV向上のポイントについて、ECサイトに役立つ内容を紹介します。
LTVを向上させることの重要性
既存顧客に対する金銭面でのコストは、新規に顧客を獲得するのと比較して5分の1で済むといわれています。
また、5%の既存顧客の離脱を防止できると利益が25%改善するとも言われています。
そのため、既存顧客の購入頻度や購買単価・購買頻度をあげて、その関係を維持することが重要だと考えられるのです。
とくにECサイトにおいては、サブスクリプションサービスや定期購入が一般的になったことにより、LTVを向上させて長く購入してもらうことが重要だといえます。
しかしながら、現在は定期購入の縛りが法的に厳しいので定期購入の縛り以外でLTVを向上させることが重要になります。
LTVを向上させる5つのポイント
経営において、利益は以下の方程式で一般的に算出できます。
利益=売上(1顧客数 × 2単価 × 3継続利用率 × 4頻度)-5経費
ここでは、上記の方程式の各項目に着目し、LTVを向上させる5つのポイントを解説します。
1購買金額が多い顧客を新規獲得する(20:80の法則)
LTVを向上させる方法として、購買金額が多い顧客を新規獲得しましょう。
「顧客全体のうち2割の人が、売上の8割を構成している」とする法則が提唱されており、これをパレートの法則と呼びます。
ECサイトのLTVに当てはめると、ECサイトを利用している2割の人がLTVの8割を支えていることになります。
つまり、この2割に該当する、購買金額が多い・購入頻度が高い顧客を新規で獲得することが重要です。
そのためには、その層を意識した広告やターゲティングが求められるといえるでしょう。
2サービスの単価を上げる(アップセル・クロスセル)
製品やサービスの単価を上げることで、LTVは向上します。
ただし、ただ製品そのものの単価を上げるだけだと、逆に購買頻度が下がる恐れもあります。
おすすめの方法は、より高額な商品を購入してもらうように営業活動すること(アップセル)と、セット単価の機会を増やすこと(クロルセル)の2点です。
ECサイトにおいて例を挙げると、LTVの向上につながるでしょう。
購買してもらう頻度を上げる(単純接触効果)
購買してもらう頻度を上げることで、LTVの向上が見込めます。
そのために最も有効な手段は、
頻繁に自社商品・サービスの情報に触れてもらうことです。
情報に触れる機会を増やすことで、それまで興味のなかったことでも興味を持つようになり、これを森羅学の言葉では単純接触効果と呼びます。
たとえば、ECサイトのセール情報や新製品情報を顧客に届ける機会を増やすことで、ECサイトにアクセスしてもらう頻度も上がりやすくなります。
さまざまな手段で顧客にECサイトの情報を届けましょう。
4継続利用率を上げる(顧客フォローなど)
LTVを向上させるポイントの1つが、顧客離れを防いで継続利用率を上げることです。
具体的には、購入頻度の低下や、サービスの解約を防ぎます。
そのためには、
「なぜその顧客が離脱・解約したのか」
という原因を特定して、解決策を講じることが大切です。
たとえば、ECサイトの問い合わせ窓口における対応を徹底したり、購入忘れを防ぐような通知を入れたりと、顧客フォローを充実させることで対応できるでしょう。
5施策のコストを下げる(自動化など)
LTVを向上させるための施策コストを抑えられれば、得られる利益も相対的に大きくなります。
そのため、LTV向上のために施策を考案しても、それがどの程度費用対効果として表れるのかを考えることが大切です。
たとえば、ECサイトの顧客分析や商品の売れ行きチェックを自動化できれば、分析にかかる費用を削減できます。
ECサイト運営において、手間を削減できるさまざまなツールが存在するため、上手く利用してコスト削減に活かしましょう。
ただし、施策コストを下げすぎても、商品・サービスの品質を落とすことにも繋がりかねません。
そのため、
基本はLTVの向上を軸にしたリピート施策に生かせるようなコストダウンを見据えておきましょう。
LTVを向上させる具体的な施策案5つ
LTV向上のポイントを紹介しましたが、ECサイト運営では具体的にどのような施策をとれるのでしょうか。
ここでは、前述したポイントを踏まえて、ECサイトで実施できる施策案を5つ紹介します。
1メールマガジンの利用
メールマガジンの導入は、顧客の購入頻度を上げたり、顧客離れを防いだりするのに有効な手段です。
たとえば、ECサイトで商品を購入した顧客へ、セットで使いたくなるような商品の紹介や、消耗品を使い切るタイミングでの再購入の案内を送れると、再度ECサイトへ訪れてもらえる確率が高まります。
他にも、メールアドレスではなく電話番号を用いたSMSを利用するのも1つの手です。
メールよりも目に触れてもらえる可能性が上がるでしょう。
2定期購入・サブスクリプションサービスの導入
定期購入やサブスクリプションサービスを導入し、利用してもらえると顧客離れを防ぎやすくなります。
さらに、お得だと思うようなサービスにしたり、普通に買うよりも料金を少し安くすると、継続利用してもらいやすくなります。
たとえば、ECサイトでコーヒー豆を販売している場合、通常購入するよりも定期購入の方が安い場合、コーヒーをよく飲む人には非常にお得に思えて利用してもらいやすくなるでしょう。
特に恒常的に使用するものであれば、定期購入の導入をおすすめします。
3LINEやSNSでの公式アカウント作成
ECサイトの情報に接触してもらう機会を増やす方法の1つとして、LINEやSNSの活用があります。
LINEの公式アカウントを作成し、フォローしてもらうと定期的に案内通知を送れるようになります。
公式アカウントフォローまでの誘導には、クーポンを利用すると手軽です。
他にも、顧客が普段目にするSNSで公式アカウントをフォローしてもらえれば、定期的に情報を流せます。
投稿を拡散してもらえれば、宣伝効果も見込めます。
さらに、投稿に商品ページのリンクを張れば、ECサイトまで誘導しやすくなるといえるでしょう。
4ポイントカードや会員ランクの導入
ECサイトの購入価格に応じてポイントを付与したり、会員ランクを導入して商品の割引を提供できれば、継続利用してもらいやすくなります。
「ポイントが余ったままではもったいない」「ポイントで安くなるからお得」と感じると、再度のECサイトへの来訪と購入を誘導しやすくなります。
他にも、年や月ごとに区切って、購入価格に応じて次の周期の会員ランクが決まり、ランクが高いほど割引がお得なシステムにすると、購入頻度や購入単価の向上が見込めるでしょう。
5Web広告の利用
Web広告をうまく利用して、LTV顧客の獲得につなげることも手段の一つです。
ECサイトはインターネット上でのショップ販売であるため、同じくインターネットを利用しているターゲットへのWeb広告が有効です。
さらに、Web広告のほとんどは特定層にターゲティングできる機能があるため、リピート率の高い顧客を確保しやすいといえます。
ECサイトの特色や顧客層を把握して、Web広告を利用してみましょう。
LTVを向上させた成功事例2つ
ここでは、LTVを向上させた成功事例を2つ紹介します。具体的な例を参考にして自社のECサイトに活かしましょう。
成功事例1カゴメ|コールセンター業務の改善でLTV28%上昇
カゴメはコールセンター業務の改善により、LTVを28%上昇させました。
カゴメはインターネット通販において、電話経由の注文が多い点に着目しましたが、以前は十分な体制が整っているとはいいづらい状況でした。
そこで、外部のコールセンター業務を担当している会社と提携し、コールセンター業務の改善に取り組みます。
顧客の満足度を高めることを目指した結果、LTVが28%も上昇したわけです。
成功事例2オイシックス|自由度の高いサブスクリプションサービス
オイシックスは、自由度の高いサブスクリプションサービスの提供により、LTVの改善を実現しました。
オイシックスのサブスクリプションサービスは毎月の金額が固定されていない点が特徴で、自由に食材を追加し、不要なものは削除できます。
そのため、毎月違うものを顧客に届けられるのです。
また、食材追加・削除の編集を忘れないように、通知を送信することで顧客フォローも実行しています。
顧客の成功体験を作り上げたことで、継続利用率を高めることに成功したといえるでしょう。
まとめ
ECサイトの売上上昇のためには、LTVの向上が重要です
株式会社ルーチェでは、D2C・通販のCRMコンサルティングをしています。
現在は無料での相談も行っているため、既存顧客の売上を伸ばしたいと考えている方は、ぜひご相談ください。