店舗とECを共通会員でつなぐ顧客接点設計の全手順【and ST事例で解説】

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

OMO戦略とは、店舗とECを共通会員で統合し、顧客接点を最大化する設計です。
アンドエスティ「and ST」は共通会員2070万人を基盤に自社EC GMVを15.5%伸ばしました。

本記事ではOMOの意味、共通会員のつくり方、外部ブランドを巻き込むプラットフォーム化までを、
通販コンサルの視点で手順化して解説します。

「うちは店舗もECもやっているのに、なぜか伸び悩む」。
そんな声の多くは、OMOの不在から生まれています。

OMO戦略とは、店舗とECを共通会員でひとつにつなぎ、顧客接点を足し算に変える設計です。
本記事では、共通会員2070万人を育てたアンドエスティ「and ST」を手がかりに、OMOの考え方と具体手順を整理していきます。

読み終えるころには、「明日、自社で何を束ねればよいか」が見えているはずです。

OMO戦略とは何か|オムニチャネルとの違い

OMOとは「Online Merges with Offline」の略です。
オンラインとオフラインの境目をなくし、顧客接点を1つの体験として設計する考え方です。

よく似た言葉に、オムニチャネルがあります。
オムニチャネルは「複数の販売チャネルをつなぐ」発想です。

OMOはさらに踏み込み、「店舗もECも、同じ1人のお客様の体験である」と捉えます。
その土台になるのが、店舗とECで共通の会員基盤です。

会員IDが1本につながって初めて、店舗の購入とECの購入が、同じ人の履歴として見えてきます。

なぜ共通会員がLTVを伸ばすのか

店舗とECを別会計にしていると、同じお客様が「2人の薄い顧客」に分裂します。
会員を共通化すると、その2人が「1人の濃い顧客」に戻ります。

濃い顧客には、別チャネルでもう一度アプローチできます。
これが、顧客接点を重ねてLTVを積み上げる仕組みです。

アンドエスティの一次データで、その効果を確認してみます。

ECと実店舗の共通ポイント制度である「and ST会員」数は前期末比100万人増の2070万人に伸長し、アクティブ会員数は760万人となった。

出典:日本ネット経済新聞「アンドエスティHD、自社ECサイトの中間期GMVは15.5%増 オープン化は好調」(2025.10.09)/ https://netkeizai.com/articles/detail/16160

共通会員2070万人、アクティブ会員760万人という規模です。
この基盤の上で、自社ECがどう動いたかを見てみます。

アンドエスティホールディングス(HD)の2026年3-8月期(中間期)における売上高は、前年同期比3.6%増の1493億4500万円だった。自社ECサイト「and ST」の流通総額(GMV)は同15.5%増の223億円だった。

出典:日本ネット経済新聞「アンドエスティHD、自社ECサイトの中間期GMVは15.5%増 オープン化は好調」(2025.10.09)/ https://netkeizai.com/articles/detail/16160

全体が3.6%増のなかで、自社EC GMVは15.5%増です。
共通会員という土台があるECが、一段速く伸びていることがわかります。

OMOは「巻き込みのプラットフォーム」へ進化する

OMOの到達点は、店舗とECの統合だけではありません。
育てた会員基盤の上に、外部ブランドまで載せる「オープン化」です。

「and ST」のGMVの内訳は、自社グループ販売が90.6%に当たる202億円(同6.6%増)、グループ外販売が9.4%に当たる21億円(同489.9%増)となった。

出典:日本ネット経済新聞「アンドエスティHD、自社ECサイトの中間期GMVは15.5%増 オープン化は好調」(2025.10.09)/ https://netkeizai.com/articles/detail/16160

グループ外の販売が、前年同期比489.9%増です。
自社で集めた共通会員を、外部ブランドを巻き込む土台へ育て直した成果です。
リアル店舗も、この巻き込みの起点になっています。

「4月に開設した原宿のOMO型店舗が好調で、目標の年間100万人を達成できそうだ。オープン化に興味を持っている企業も多い」(木村治社長)

出典:日本ネット経済新聞「アンドエスティHD、自社ECサイトの中間期GMVは15.5%増 オープン化は好調」(2025.10.09)/ https://netkeizai.com/articles/detail/16160

店舗は「売る場所」であると同時に、共通会員を増やす「入口」です。
OMOでは、来店すらも会員基盤への投資として設計できます。

今日から動けるOMOの第一歩

ここまで読むと、大きな話に感じるかもしれません。
けれども、最初の一手はとても小さなものです。

「店舗とECで、会員IDとポイントを1本に束ねる」。

これだけで、同じお客様の購入履歴が、チャネルをまたいで1本につながります。
つながれば、「店舗で買った人にECの新商品を案内する」一手が打てます。

小さな会社なら、LINEの会員連携やポイント共通化から始めれば十分です。
入口を増やすことではなく、増えた入口を共通会員で結ぶこと。

それがOMOの本質であり、LTVという幹を育てる最短ルートです。

まとめ|共通会員を1本に束ねるところから

OMO戦略とは、店舗とECを共通会員でつなぎ、顧客接点を足し算に変える設計です。
アンドエスティ「and ST」は、共通会員2070万人を土台に自社EC GMVを15.5%伸ばし、
外部ブランドまで巻き込むプラットフォームへ進みました。

まずは自社の会員IDを1本に束ねる。
その1本の線から、〔集めて売る→巻き込む〕という新しい成長の階段が始まります。

関連記事として、LINEを起点にした顧客接点設計や、会員ランク・ポイント設計の記事もあわせてご覧ください。

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