お客様同士を会わせる5手順|継続率95%を生んだ「場」のつくり方

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

顧客コミュニティとは、お客様同士がつながる器のことです。
売り手とお客様を結ぶ1本の線ではありません。

まず、通販の現場でよく聞く言葉をご紹介します。
「メルマガもLINEも出しています」

ところが、お客様との距離は縮まらないとおっしゃいます。
実は、原因は配信の本数ではありません。

なぜなら、お客様がいつも一人だからです。
そこで今日は、お客様同士を会わせる設計を5手順でお伝えします。

顧客コミュニティとは何か、いま何が起きているのか

まず、先週の動きからご紹介します。
2026年9月14日、ひとつの場が公開されました。

運営するのは、株式会社トウ・キユーピーです。
つまり、キユーピーのサプリとスキンケアを扱う通販会社です。

公式ファンコミュニティサイト「キユーピーウエルネス ファンコミュニティ」が公開
出典:コミューン株式会社 プレスリリース(PR TIMES/2026年9月14日)

そして、掲げられた言葉は商品名ではありませんでした。
「私をいたわる、ていねいな時間。」という一文です。

さらに、主語も入れ替わっています。
リリースには、こう書かれていました。

愛用者同士が日々の習慣や商品体験を分かち合える場
出典:同リリース

つまり「当社が伝える」ではありません。
「愛用者同士が分かち合う」と書かれています。

ここが、顧客コミュニティの本質です。
売り手が真ん中から、少し横にずれるのです。

なぜ、単品通販ほど顧客コミュニティが効くのか

実は、単品リピート通販は静かな買い物です。
お客様は一人で買い、一人で続け、一人でやめます。

なぜなら、隣で同じ商品を使う方の顔が見えないからです。
そのため、続ける理由が体感とメールだけになります。

ところが、そこに場が入ると理由が1つ増えます。
「あの人も続けている」という理由です。

私はこれを、同心円ファネルと呼んでいます。
一方、広告から購入までの一本道が直線ファネルです。

直線は、集めるほど費用が増えます。
しかし同心円は、集まるほど費用が下がります

手順1 顧客コミュニティの看板になる「一語」を決める

まず、看板に商品名を掲げないでください。
なぜなら、商品名では人が集まらないからです。

人が集まるのは、状態の名前です。
実際、今回掲げられたのも状態の名前でした。

私をいたわる、ていねいな時間。
出典:コミューン株式会社 プレスリリース(PR TIMES/2026年9月14日)

ご覧のとおり、サプリメントの名前は一語もありません。
あるのは、お客様が自分について語りたくなる状態です。

そこで、御社でも書き出してみてください。
お客様がその時間を何と呼んでいるか、という一語です。

ちなみに「肌の手入れの時間」でも構いません。
あるいは「朝のひと手間」でも十分に看板になります。

手順2 会わせる場所を1つに絞る

次に、場所の数を減らします。
実は、場所を増やすと会話が薄まります。

SNS、LINE、レビュー欄と散らばったままでは続きません。
そのため、同社は専用のサイトを1つ立てました。

そして、そこには登録とログインの導線があります。
つまり、一手間をあえて残しているのです。

ここは、見落とされやすいところです。
誰でも見られる場所は、誰も自分の話をしない場所になります。

もっとも、小さな会社に専用サイトは要りません。
まずは、非公開のグループを1つで十分です。

大切なのは、人数ではありません。
「ここにいる方は全員、同じものを使っている」という前提です。

手順3 最初の90日は、売り手が一番の投稿者になる

ところが、開いたばかりの場所は必ず静かです。
この静けさに耐えられず、3カ月で畳む会社を見てきました。

そこで、運営の順番を確かめてください。
同社の担当者は、こう説明しています。

限定イベントやアンケート、参加型企画に加え、コミュニティ内での日々の投稿や交流を通じて、お客様同士のつながりを深める
出典:ECのミカタ(2026年9月18日)

まず、イベントとアンケートが先に来ています。
いずれも、売り手から先に差し出すものです。

そのうえで、お客様同士の交流が置かれています。
したがって、順番ははっきりしています。

はじめに売り手が話しかけます。
次にお客様が答え、最後にお客様同士が話しはじめます。

だから、最初の90日は社長ご自身が投稿してください。
なお、週に1回、15分で構いません。

手順4 集まった声を、商品の入口に戻す

しかし、仲良しの場で終わると続きません。
声が商品に反映されて、はじめて意味のある場になります。

実際、同社はその接続を明言しています。
言葉のまま、ご紹介します。

お客様から寄せられた声やアイデアをコミュニティ運営や商品・サービスづくりに活かしてまいります
出典:ECのミカタ(2026年9月18日)

そこで、御社の運用に置き換えます。
月に1回、上がった声を3つだけ選びます。

そのうち1つを、翌月の同梱物か商品ページに反映します。
そして「これは◯◯さんのご意見から生まれました」と戻します。

この一往復が、次の投稿を呼びます。
つまり、声の循環が場の燃料になるのです。

手順5 顧客コミュニティの成果は継続率で測る

ただし、当月の売上で測ると必ず失敗します。
見るべきは、継続率と1人あたりの年間購入額です。

実際、同じ仕組みを使う他社の数字が公開されています。
まず、1社目の数字です。

定期便の継続率95%/通常利用者比でLTV1.8倍
出典:コミューン株式会社 公式サイト 導入事例(ベースフード「BASE FOOD Labo」)

さらに、もう1社の数字もご覧ください。
同じプラットフォームの導入事例です。

SNS上の口コミが約10倍増/全ての層で年間購入額が1.1〜2.6倍に向上
出典:コミューン株式会社 公式サイト 導入事例(再春館製薬所「ドモコミュ」)

もっとも、口コミが10倍になったのではありません。
語りたい方が増えた結果として、10倍になったのです。

したがって、順番はいつも同じです。
語れる場が先で、口コミは後から来ます。

数字で見る、顧客コミュニティのいま

ちなみに、同じグループにはもっと古い場所もあります。
マヨネーズのファンクラブです。

リニューアル前の会員数は、14万人を超えていました(2025年7月時点)
出典:キユーピー株式会社 ニュースリリース(2025年8月1日)

なお、開設からの年数も書かれていました。
こちらも、原文のままご紹介します。

キユーピー マヨネーズ ファンクラブは今年で開設12年目を迎え
出典:同リリース

つまり、12年で14万人です。
年に直せば、およそ1万人ずつの積み上げになります。

たしかに、派手な数字ではありません。
しかし、広告を止めても消えない1万人です。

だから、コミュニティは短距離走ではありません。
むしろ、積立に近いとお考えください。

世界観は、お客様が語りはじめて商品に宿る

ここで、拙著の話を少しだけいたします。
『【小さな会社】ネット通販 億超えのルール』の第3章です。

「何を言うのか?」をつくり込み、世界観・価値観を商品に投影する
出典:すばる舎 書籍ページ(目次・章題)※章題の引用であり本文の逐語引用ではありません

実は、いま振り返ると半分しか書けていません。
世界観は、売り手が投影するだけでは定着しないからです。

では、いつ定着するのでしょうか。
お客様がご自分の言葉で語りはじめたときです。

そして、顧客コミュニティはその語りはじめる場所です。
つまり、世界観の置き場ではなく、育つ場所なのです。

まとめ|顧客コミュニティの次にくる100日

最後に、3つだけ持ち帰ってください。
顧客コミュニティは、集客の手段ではありません。

1つ目は、お客様がその時間を何と呼ぶか書き出すことです。
2つ目は、会わせる場所を1つだけ決めることです。

3つ目は、最初の90日、社長が一番の投稿者になることです。
そのうえで、成果は継続率で見てください。

なお、規模は関係ありません。
15人でも、場は成立します。

買ったあとの100日を、一人で過ごさせない。
それが、顧客コミュニティの役目です。

最後は、いつもの言葉で締めます。
1人の熱中が、100人の推し活を生む。

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